ケンミレ式投資; 天井圏の相場環境での投資手法

天井圏の相場とはどのような相場でしょうか。天井圏とは『感覚的な問題』と『テクニカル的な問題』『ファンダメンタルズ的な問題』の三つがあり、感覚的な問題の方が『当たる確率は高い』と思います。感覚的とは『もうそろそろ下がってもよいかな』と思った時であり、これは個人によって違いますが、自分の感覚を重視して良いと思います。もう一つはテクニカル的な分析となります。「過去の高値」「大きな上値抵抗ライン」中期の動きを見るための期間の長い「売買タイミング指標」「新値銘柄数」や「信用期日」や「戻し目率」など、色々な指標がありますので、これらを参考にして多くのテクニカル指標が過熱感をかもし出し危ないと出ている時を天井圏と考えます。最後はファンダメンタルズ的な問題ですが、これは政治や経済中心に分析することです。

簡単に言いますと『これまであった好材料が消えそうな時、新しい悪材料が出てきそうな時』には、そろそろ株式市場が天井を打って下落するのではないかと考えます。これら三つの動きを考えて『危ない』と認識することになります。そして、最高値と思ったら『100%の持っている株』を売却して様子を見るべきです。本来は天井圏でなくても『大分上がったな』と思ったところで持ち株を売却して様子を見た方が良いと言えます。ですが、天井圏であり最高値ではない場合は「1回の上昇率が非常に高い環境」ですから、投資の上級者にとっては『諸刃の剣』ではありますが、非常に高リターンが期待できて面白い相場であるとも言えます。ですから、もしあなたが投資の上級者でしたら、常にリスクが高いことを意識しながら、投資をすれば良いでしょう。
株式と現金の比率−初級者は投資をしない、損切りの出来る上級者は総額の約20%を投資に利用

天井圏だからといって『直ぐに下落に転じるのか、もう少し上昇し続けるのか』は誰にも分かりません。だから、天井圏に近づいているのにも関わらず、予想以上に儲かった時は、自分の投資レベルに自信がついて『何時までも投資し続けたい』と思ってしまいます。この時期は、多くの銘柄が上昇している訳ですから、自分だけが儲かっているのではなく、投資をしている多くの人が儲けていると考えた方がいいでしょう。それでも、多くの人は、もっと上がるかもと考えてしまい株式投資の基本である「株は上がれば下がるし、下がれば上がる」ということを忘れてしまい、もっと儲けたいからもっと持ち続けようと考えてしまいます。確実に財産を増やすためには天井圏に到達している株は『出来るだけ長く持たない』ということと、多くはキャッシュで持ち、何か見つけた時にだけ一部の資金を投資することです。つまり、天井圏の投資では『ほとんどをキャッシュで持つべき』ということになります。
目標利益率

目標利益率の設定でも『天井圏で新しく上昇が始まった時に、予想以上に上昇する』という場合と、警戒心から『少し上昇したら直ぐに利益確定売りが出て上昇が止まる』というケースに分かれます。自分が投資している相場環境がどの相場環境なのかは、常にチェックする必要があります。チェックする方法は簡単です。上昇した銘柄をチェックして『大体何%くらい上昇すると止まるのか』をまず見ます。その次に『前回の相場では今回に比べて上昇率が高かったのか、低かったのか』をチェックしましょう。今回の相場での上昇率と前回の相場での上昇率をチェックすれば、目標利益率を高くしても良いのか、低く設定しなければならないのかが分かります。
損切り

上級者やセミプロの投資で最も重要なことは『損切り』が出来るかどうかです。損切りが出来るようになって、初めて投資家として一人前と言われています。買った株のすべてで勝つことはほぼ不可能と言えます。ということは100%の損切りが発生することになります。つまり、株式投資をする以上、損切りは100%発生することであり、一定期間投資をしていて、自分は損切りをしたことがないという投資家は『よほどツイていた』か『大きな評価損を抱えた』経験者でしょう。
保有期間

危ないという意識を持って投資するときには、『保有期間は長くすべきではない』です。特に天井圏で投資した時には『相場が転換した時にはパニック的な売りが出て、短期間で予想以上の急落』になることもあります。天井圏の投資は『初級者と中級者は行わない』方がよいでしょう。つまり、上級者やセミプロの方が行います。この場合には『期間ロスカット』と言いまして、一定期間持っても動かなかった時には『損益に関わらず、自分が決めた期間が経過したら無条件に売る』べきです。特に天井圏はリスクが高いので、期間ロスカットは非常に重要な投資戦術になります。

まとめ 天井圏の相場環境での投資手法−天井圏は初心者の方にはとても危険な相場環境といえます。損切りを出来ることの可能な上級者が投資する相場です。

1. 初級者はそもそもこの段階での投資はしない、上級者に関しても投資資金に対する株式の比率は抑える。
2. 目標利益率は過去のその銘柄の上昇相場時の上昇率などを参考にして決める。
3. 損切りが発生する可能性が高いため、常に念頭に置いておく。
4. いつ急落するか分からないので、保有期間は短めに設定して確実に利益を上げることが重要。