TIPSノート:「ゼロ金利解除」後の個人マネー運用

短期金利はしばらく0.25%の状態が続き、物価が順調に上昇する。
すると長期金利は変動リスクが高まる。

普通預金X :物価に対して利息の割合を考えると相対的に不利になる。
・定期預金X :大した水準にならないし(特に小口では)金利のいいものは解約出来なかったりする
・債券X、国債X :中長期の固定金利の債券では資金を低利で固定する点は定期預金と一緒
・10年満期タイプの個人向け国債
・外貨預金X :そもそも為替の手数料が高すぎることと金利上昇による円高のリスク
・株式△ :金融引き締めで長期金利が上昇局面にリスクをともなう
・REIT(不動産投資信託)X :金利上昇が非常に不利に働く(借り入れのコスト上昇、不動産価格マイナス、一般貯蓄商品との利回り差が不利)。運用してた人は売却を。
投資信託X
個人年金保険X



10年満期タイプの個人向け国債がいい
半年ごとの変動金利なので金利上昇リスクに対して強いし、しかも先に上昇しがちな長期金利を基にして実質的には短期運用のリスクの金利が決まり、しかもそれが長期国債の利回り−0.8%という、目下の長短金利差を考えると非常に得な条件で決まるので貯蓄用にはベストといっていい商品だろう。

なお預金は魅力的でないと言ったが、「暴利」といいたくなるほど手数料が高い投資信託個人年金保険よりは、ずっとましだ。金利が動くと、自分の持っている預金に対する関心が高まって、定期預金の書き換えなどの際に、銀行からこうした投資商品を勧められる可能性があるが(たぶん「将来のインフレのリスクに備えて」などと言って売り込むだろう)、セールスに乗らないように気をつけて欲しい。この種の商品は販売する側が儲かるのであって、顧客の側の得にはならない。
預金を解約したい向きは、決して銀行で売っているような投資信託個人年金保険を買うのではなく、貯蓄なら10年タイプの個人向け国債にするべきだと思うし、将来のインフレを気にして(まだ早いが)リスク商品で運用したい場合は、運用資金の一部で株式を数銘柄買っておくといい。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yamazaki/at_ya_06071401.htm?from=os2