TIPSノート:なぜ相場がこんなに下がったか。相場状況

■なぜ相場がこんなに下がったか?(ジェット証券の回答)
「先週の株式市場は、年初来安値を大幅に更新しました。米国のインフレ警戒感と景気減速懸念の強まりを嫌気して、資源関連株を中心に全業種が下落しました。...」
外国人投資家が連日の売越し基調を強めるなか、三菱UFJフィナンシャルグループの大型売出し(総額4,200億円弱)による需給悪化や、村上代表の逮捕も投資家心理を冷やしました。週末になりやっと米国株式の落ち着きと機械受注を好感した押し目買いが入り、株価は5日ぶりに反発をしましたが依然予断を許さない状況が続いています。株価は5月の連休明けから15%以上下落をしていますが、これは米国の金融当局によるインフレ警戒発言で米国株が売られたことが発端となっています。このため米国市場が落ち着くまで目先は軟調が続く可能性が高いと考えられます。その意味で14日発表予定の米国消費者物価指数は大いに注目され、この数字により6月以降の米国金融当局の金利政策の方向性が明らかになると思われます。日本経済のファンダメンタルズは底堅い状況であると考えられますので、米国が6月末の追加利上げ後に金利の打ち止め観測が強まれば、相対的魅力度から日本株が先駆けて買われる展開も予想されます。昨年の上昇相場から一転し、新興市場を中心とする小型株の不振が深刻化しています。低迷の背景として、USEN、インデックス、ACCESSなどシンボル企業の業績不振、相次ぐ企業不祥事や会計不信、ネット投資家の追証懸念の売り、世界的な新興市場離れからくる外国人投資家の売り越し基調、及び長期金利の上昇一服があげられます。年初は景気と企業業績の拡大期待から堅調な相場展開がコンセンサスでありましたが、市場には戸惑いからくる方向感のなさが強まっている様に感じます。過去を振返りますと、1996年が現在と同じく好業績、景気回復、好需給を予想しながら、市場は見事に反対に動いた覚えがあります。当時も年度初に四大証券(当時)は揃って上昇相場を予想しましたが、店頭市場(当時)は7月2日が天井となり、その後1998年秋まで続く長い低迷となりました。当時の低迷の要因は、武富士JR西日本等の大型IPOを含む新規公開株ラッシュによる需給悪化、相次ぐ下方修正からくる業績不安に加え、O-157の流行による消費不振がダメ押しました。なんとなく現在の新興市場の状況に似ていると考えるのは杞憂なのでしょうか。(ジェット証券