ケンミレ式投資; 上昇初期の相場環境での投資手法

上昇初期の相場とはどのような相場でしょうか。下降トレンドから株式市場が転換し「日経平均株価」や「TOPIX」が上昇トレンドになった初期段階のことを言います。上昇初期の相場で考えなければならないことは、「今後大きく上がる」か「少ししか上がらないか」です。初心者の方が「底値圏」で投資をし続けて、「底値圏」の投資をマスターし、もう少し投資回数を増やしたいと思った時に狙っていい相場と言えます。しかし、「上昇初期」の投資は「底値圏」から比べると少し高いレベルが要求されます。そのことを、忘れないようにしましょう。そして、自信が無い場合には、無理をしないようにしましょう。負けてしまっては、意味がありません。どんな相場でも投資出来ますが「負けない投資家」になりたい人の相場環境は『とにかく勝つ確率が高い環境』を狙うことです。株式と現金の比率−全体総額の約60%を投資に利用

大きく上昇する相場の上昇初期と分かれば、怖いものはありません。持っていれば必ず上昇する訳ですから、極端に言えば、全ての現金を投資しても良いでしょう。しかし、気をつけなければならないことが、株は上がれば下がりますし、下がれば上がります。大きく下がった後の相場転換では、大きく上がる可能性も高いので、上昇初期は狙い目と言えるでしょう。「底値圏」では『本当に底値圏なのか』それとも『再び下がる前の揉みあいなのか』の区別が難しく不安がありますが、上昇を開始し始めた時は相場が転換したわけですから「底値圏」よりも安心感はあります。但し、この場合でも忘れてはいけないことがあります。それは、「何となく上昇した時」です。
「上昇に転じた時」というのは、大きく分けて二つのパターンがあります。
(1)悪材料が消えた
(2)上昇に値する新しい好材料が出た
そして(1)の「悪材料が消えた」場合というのは、すべての相場のなかで一番安心感があると言えます。なぜなら、相場が下がる原因が全てなくなったので、その後は上昇に転じる以外ないからです。しかし(2)の「上昇に値する新しい好材料が出た」場合は、「悪材料が消えた」訳ではありませんので、少ししか上昇せずに、また下落に転ずる危険が残っていると言えるでしょう。
目標利益率(過去に大きく上昇した実績のある銘柄を探す)

上昇し始めた時「悪材料は消えたけど、これといった好材料がない時」には、大きく上昇するのを待って株を持ち続けるという投資手法ではなく『少し上昇すれば利益確定売りをして、次の上昇初期の銘柄を探す』という方法を取った方が、確実に利益を積み上げることが出来るでしょう。しかし「悪材料は消え、上昇に値する好材料が出た」時には、「底値圏」と同じ投資手法を取り、すぐに売るのではなく、持ち続けていれば、より大きく利益を上げることが出来ますし、高度な投資手法を要求されることもありません。ですから「底値圏」と「上昇初期」の目標利益率の設定は『他の相場環境と比べて、一番高い目標利益率を設定してもよい』ということになります。「底値圏」と「上昇初期」の投資戦術は似ています。違う点と言えば『上昇に勢いがない場合の「上昇初期」では「底値圏」より目標利益率は低く設定した方がよい』という部分です。
損切り(必要なし)

「底値圏」と「上昇初期」の相場は、基本的に「損切り」を考える必要はありません。しかし「上昇初期」の場合は、例外として、損切りというよりも『銘柄の入れ替え』をするという意味で、思った通りに購入した銘柄が上昇しなかった場合、『持っている銘柄を売り、上昇が期待出来る別の良い銘柄を買う』という戦術があることを覚えておきましょう。しかし、気をつけなければ行けないことは「悪材料が消え、上昇に値する好材料が出た」銘柄を見つけた場合の投資戦術として覚えておきましょう。基本的には、上級者の投資手法と言えます。
保有期間(長い)

「上昇初期」では、保有期間を長く取ってもいいですし、10%くらい上昇したら、保有期間が1日であっても売るという二つの方法があります。しかし、覚えておかなくてはいけないことは「底値圏」と違って「上昇初期」は既に上昇がスタートしていますので、目標利益に達したら売るという投資方法が一番ベストです。しかし「底値圏」に近ければ近いほど『長い保有期間』を選んでも問題ないでしょう。

まとめ 上昇初期の相場環境での投資手法−上昇初期は「大きく上がるか」「少ししか上がらないか」の二つの可能性がある。

1. もしも上昇トレンドが確認できれば投資資金の比率を高めに設定しても問題ない。
2. 上昇初期の相場での目標利益率は「他の相場より、少し高めに目標利益率を設定」してもいいですし、「10%程度の利益を積み上げて、売買回数を増やす方法」をとってもよい。
3. 基本的には損切りは考える必要ない。
4. 保有期間も基本は「底値圏」とあまり変わらない。