ご当地ファンドとは?ファンドをみる

急増!ご当地ファンドというニュースが報じられている。ご当地ファンドとは、特定の都道府県、あるいは地域に本社を置いている、あるいは工場設立などで進出していたりする企業の株式に投資するファンドのこと。例えば報じられたご当地ファンドにおける、それぞれの組み入れ上位3銘柄はこのようになっている:
トヨタ札幌北洋HD/北海道電力・キャノン/武田薬品常陽銀行トヨタデンソートヨタ自動織機・任天堂/京セラ・村田製作所沖縄セルラー/サンエー/琉球銀行


ファンドに期待するかどうかは別として、組み入れのある銘柄には期待が持てると考えられるかもしれない。これを逆に特定の銘柄から組み入れファンドを調べてみるのもおもしろい。
このサイトのデータ
銘柄から組み入れファンドを見る 『ダヴィンチ・アドバイザーズ』
→(「ファンド」を含む内容をみる)


さて、ご当地ファンドについて:ーご当地ファンドについて:Infoseek マネーコラムより
『ご当地ファンドにはいくつかの落とし穴があります。その落とし穴を総合的に考えると、「投資するには価しない」という結論が出てきます。まず投資対象に縛りがあること。投資信託という金融商品は、受益者(ファンドを購入した人たちのこと)の利益を最大化する目的で運用されるものであり、何を組み入れて運用するかについては、ルールの範囲内で出来るだけ多くのフリーハンドを与えられている方が良いと考えられます。
 しかし、ご当地ファンドの場合は、最初から投資対象が限定されています。たとえば、茨城県に投資するファンドであれば、茨城県に本社を置くか、もしくは茨城県に工場進出などをしている会社の株式にしか、投資できないのです。仮に、静岡県下の企業が将来的に高いパフォーマンスが期待できるとしても、静岡県下の企業には投資できません。
もちろん、茨城県下の企業が、他の県下の企業に較べて、高いパフォーマンスが得られる可能性が高いというのであれば、まだ話はわかります。
 ところが、ご当地ファンドとして新規設定されるファンドの投資対象地域を見る限りにおいては、将来的に高いパフォーマンスが得られることを期待して新規設定しているようには、とても見えないというのが正直なところです。
 考えようによっては、ファンドを通じて地方企業の株式が買われ、株価が上昇することによって何らかの経済効果が得られる。その結果、ファンドのパフォーマンスも上がると、考えられるかも知れません。しかし、株高による経済効果が企業活動の実態面に影響を与え、それがさらなる株高につながっていくためには、かなりの時間を要します。
 さらに言えば、最近のご当地ファンドは「○○応援ファンド」(○○には県名などが入ります)といった名称が付いているものの、実態は外債ファンドであるということです。隔月で分配金を受け取れるという仕組みになっていますが、その仕組みを維持するために、金利の高い外国債券を組み入れ、そこから得られる金利収入を分配金の原資にしているのです。どのくらいの配分で外債に投資するかはファンドによって異なりますが、大体50〜70%程度の範囲で、外債に投資しているケースが多いようです。
 これではまるで、「○○県応援ファンド」というよりも、「世界財政赤字救済ファンド」と称した方が相応しいのではないかと思います。
何よりも、外債を多く組み入れることによって、為替リスクにさらされます。ある都道府県を応援する気持ちでこの手のファンドを買ったとしても、そこで得られるリスクとリターンの大部分は、為替レートの動きに左右される恐れがあるのです。「名が体を現していない」といわざるを得ません。』