TIPSノート:このところのドル/円相場の変動

■このところのドル/円相場の変動は内外金利差に起因している
為替相場が変動する要因として「ファンダメンタルズ」「内外金利差」「需給関係」「通貨介入」などがあげられるが、このところのドル/円相場の変動は内外金利差に起因しているといわれる。日米の金利政策を比べると、日本は現在のところゼロ金利政策、米国は高金利政策を維持しているから、金利の高いドルが上昇すると考えるのが自然である。実際には4月に日銀が量的緩和政策を解除したことや、米国の利上げ政策が停止されるとの観測が強まったことから、急速な円高となった。(その後は、米国の利上げ継続観測が再浮上したため、円高傾向は一服している。)

このように内外金利差といっても、単純に金利の高い通貨が買われるのではなく、これから金利が上がっていくと予想される国・地域の通貨が上昇する傾向にある。ロイターが6月5〜7日に通貨ストラテジスト50人を対象に行った調査によると、中長期的にみると日銀がいずれゼロ金利政策を打ち切り、円が反転すると予想されている。ドル/円の予想中央値は3カ月後に110円、6カ月後に107.30円、1年後には104円台に上昇すると見られている。・・・ロイター調査より